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2009年7月の記事

2009年7月27日 (月)

二大政党制は日本を良くするか

「二大政党制を日本に定着させる」というテーゼがあります。最近では、これを金科玉条に政権交代を訴える民主党のみならず、自民党の政治家でも「二大政党制はいいことだ」という前提に立って議論する方が多いようです。本当にそうでしょうか?

まず、二大政党制を推進する論者が例として引くのはアメリカです。一言でまとめれば選挙で政権交代が起きるので社会がダイナミックに変化する、というのが推進の根拠です。しかし、アメリカの政策がダイナミックに転換するのは、単に二大政党制によるのみならず、①大統領制をとっていること、②猟官制で政府要職者が総入れ替えになること、などとの組み合わせによるものです。そのうえ、ダイナミックな変化が必ずしもいい方向への変化とは限りません。

アメリカの選挙をみると、二つの陣営いずれかが勝つか負けるか、という戦いであるため、自分の政策を一生懸命アピールして理解してもらわなくても、相手のウィークポイントを突いて引きずりおろしさえすれば選挙に勝てるという構造になっています。このため、アメリカの選挙戦における敵陣への誹謗中傷は日本人にはとても受け入れられないほど、露骨でひどいものとなっています。アメリカで暮らしたことのある方はご存じと思いますが、選挙中、敵方の人格攻撃をするテレビコマーシャルが朝から晩まで流れ続けます。最近の日本の政治状況をみると、二大政党化が進む中で、こうしたアメリカの状況に近付いてきているように思われないでしょうか?

また、二大政党制の弊害として、激しい戦いに勝つために、政策を露骨に取引材料とすることがあげられます。特定の業界・団体・組合・企業からの支持を取り付けるために、極端な利益誘導を約束する代わりに、組織票やカネを集めます。日本でも、前回参議院選挙辺りから、特定の層を狙った激しい「バラマキ合戦」が繰り広げられていますが、これも二大政党化の進展の影響だと思われます。

他にも、アメリカでは猛烈に政治にカネが絡みます。日本の政治にかかる資金とはケタが違います。露骨にカネの力で利益誘導することも「必要悪」として認められており、政治とカネをつなぐプロの職業(ロビイスト)が制度として成立しているほどです。中東辺りの紛争には、このアメリカのロビイング政治が深く影響を与えていることはよく知られたことです。

果たしてこれが日本の目指すべき姿なのかどうか。

主要国で二大政党制をとっている国は、結局のところ、アメリカ、イギリスなど、いくつかの「アングロ・サクソン」国家だけで、民主主義先進地域であるヨーロッパでは、二大政党制になっている国はほとんどありません。EU議会もしかりです。昨今、日本がアメリカから輸入してきたアメリカ型金融モデル、ドライな労使関係、大規模ショッピングモールなどの「アングロ・サクソン・モデル」が日本社会を壊している、こうしたアングロサクソン型社会風潮から脱却しなければならない、と声高に叫ばれていますが、なぜ政治だけは、いまから「アングロ・サクソン・モデル」を導入するべきなのか?さまざまな客観的事実を踏まえて、いま一度、二大政党制を推進すべきなのか、立ち止まって考えてみるべきではないでしょうか。

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インド洋での給油継続は当然だが…

新聞で民主党のマニフェストを見てがく然としました。「従来の主張を押し通せば日米関係が急速に冷え込みかねない」として、これまで執拗に主張してきた「テロ対策のためのインド洋上での給油の即時撤収」を取り下げたとのこと。

昨年の国会での大騒動は一体何だったのかと思います。ご記憶のように、テロ対策特措法に反対する民主党は、参議院の数の力に頼り、給油活動を一時中断に追い込んだことで、政府・国会は大混乱に陥りました。それが、このたび知日派のJ.ナイ・ハーバード大学教授から「日米同盟維持に深刻な影響がある」との忠告を受け、党内に衝撃が走り、突如方針転換したとのことです。

そんなことは、知日派米国人に忠告されるまでもなく、国会議員たるもの常識といえるレベルの話です。それを知りながら確信犯でやっているのかと思っていましたが、指摘されるまで気づきもしないでこんな危ない橋を渡っていたとは…。こんなレベルの話に振り回されてこの2年間、国会が空転を重ねてきたとは、あまりに情けなく、ショックです。

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