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2009年8月の記事

2009年8月17日 (月)

4年間を振り返って

いよいよ明日、衆議院総選挙が公示となります。

振り返れば、4年前に初当選した際には、党内や国会での議論が、思っていた以上にレベルが高く、また与野党での議論もかみ合っていたことに新鮮な驚きを覚えたものでした。経済政策も、経済理論・思想的背景を伴って議論されていましたし、安全保障分野でも、委員会で与野党一緒に建設的な議論がされていました。私自身、民主党の議員の的を射た質問をきき、そこから議論を発展させたこともありますし、その逆もしばしばありました。

こうした状況が様変わりしたのが、当選後2年ほどたってからです。衆参がねじれてからというもの、民主党が繰り出す議論はすべてマスコミ受けを考えて計算され、いかに筋が通らない話でも、現実と遊離した話でも、政府与党を困らせるためなら何でもしようという状況になりました。海上自衛隊が国際社会が一丸となって取り組んでいるテロとの闘いからの一時離脱を余儀なくされ、国際金融市場に動揺が走る中、日銀総裁や副総裁のポストが空席のまま放置されるなど、ありえない出来事が続きました。前半2年間で見られた建設的議論は、ほとんどまったくといっていいほど見られなくなり、国会の審議はまさに空虚で不毛ななじりあいの場と化したのです。

今回の選挙戦でも、本来いまの日本が直面し、解決しなければならない根本問題--少子高齢化の中どのように福祉財源を確保するか、そのためにもいかに経済を成長させていくか、北朝鮮や中国といった確実に高まっている軍事的脅威にいかに対処していくか--についてはほとんど議論がされず、財源の裏づけもあやふやな、目先の給付の話ばかりが語られています。一方、日米同盟をゆるがせにしかねない、安全保障政策上の大転換については、まったく語られずに選挙が進められようとしています。

こんな不誠実な政治とは決別をしなければなりません。

かつてない少子高齢化社会のもとでは、経済成長と消費税を含む税制の抜本改正なくして社会保障は立ち行かないことこそを語らねばなりません。日本は世界の先進国の中でもっとも厳しい安全保障環境におかれ、日米同盟は維持をする努力なくして実効性が確保できないことこそを語らねばなりません。

問題の解決は、問題の原因を正しく認識することからはじまります。選挙に不都合という理由で、問題の根本原因にふたをして、甘いことばかりを語っていては、日本の明るい未来は拓けないでしょう。

まずは、誠実な政治を取り戻すことからはじめなければなりません。問題に正面から立ち向かえば、かならず日本の進む道は拓けるものと確信をしています。

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唐突な「日米FTA」はアメリカとの裏取引か?

民主党が選挙前に突如「日米FTA(自由貿易協定)を締結する」といい始めました。マニフェスト発表後に、農業団体からの強い反発を受けて表現を変更するなど、右往左往しているようですが、そもそもなぜいま日米FTAなのか?大変違和感があります。

FTAを結ぶことで、締結国間の貿易は原則自由化されます。日本も、これまでシンガポールを皮切りに、多くの国とFTAを結んできています。これにより、従来関税で保護されていた物品の輸出入が活発になるのですが、気をつけなければならないのは、FTAを結ぶ相手国によって、FTA締結が日本にとってプラスになる場合とマイナスになる場合があるということです。

すなわち、日本が輸出したい財(たとえば自動車)に相手国が高関税をかけている場合、自由化で合意できれば日本にとってプラスです。一方、日本の国内産業が競争力が弱く、関税で保護している産業の場合、急激な自由化はその産業の崩壊を招くこともあります。

それでは日米FTAはどうか?と考えれば、この締結を急ぐことは日本にとって大いにマイナスであることが予想されます。日本が積極的に輸出をしたい財について、アメリカの関税はすでに相応に低く、FTAで日本が得るメリットはあまり多くありません。一方で、アメリカ側が日本に輸出をしたがっている財は農産品であり、こちらは日本側の競争力が弱いため、急激な自由化により国内農業が立ち行かなくなる恐れが強くあります。特に「コメ」については、日米FTAで壊滅的打撃を受けることが予想されています。

要するに現段階での日米FTAは、アメリカを利するばかりで日本にとっては完全に取り負けです。こんなものを、なぜこの選挙前のタイミングで公約に掲げたのでしょうか。

私は、民主党がアメリカと裏取引をしたのではないかと勘ぐっています。

民主党の公約は、社民党との連携の影響や、民主党自身の支持基盤(旧社会党系団体)の影響から、日米同盟の信頼性を揺るがすような内容が多く含まれています。インド洋上での給油活動からの撤退、在日米軍基地の再編反対、思いやり予算削減など、本気で全部やったとしたら、果たしてアメリカは日本との同盟関係を維持し続けたいと思うか疑問です。しかし、社民党との連立が不可避な現在の国会・選挙情勢を考えれば、これらの旗を降ろすことはできない。そこで、なにかアメリカにお土産を用意しなければ、ということになったのではないか…。

日本にとって、いま、検討すべきなのは、東アジア地域全体をカバーするFTAや、日本にとってメリットの大きいEUとのFTAなどであって、決して「日米FTA」ではないと思います。なにゆえ今、「日米FTA」なのか。納得できる説明が聞きたいものです。

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