« 2009年9月 | トップページ | 2010年2月 »

2010年1月の記事

2010年1月30日 (土)

いのちの重さと言葉の軽さ

鳩山総理の施政方針演説は、「いのちを守りたいのです」という導入で始まる、情緒的な演説でした。それはそれでいいのですが、どうにも演説内容と実際にやっていることが違い過ぎて、言葉が上滑りに聞こえてなりませんでした。

鳩山総理は、神戸の震災で、目の前で建物の下敷きとなったわが子を亡くされた方の言葉を延々と引用し、だから防災が大事なのだ、鳩山政権は防災に力を入れて命を守るのだ、と力説していました。

が、それならば、なぜ鳩山政権は学校耐震化の予算を大幅削減したのでしょうか。演説の言葉と耐震化予算の削減方針がどう整合するのか、私にはさっぱりわかりません。

もともと、来年度は、震度6強の地震で倒壊する恐れのある小中学校の施設のうち5000棟について、自治体要望に基づいて耐震補強工事を実施する予定となっていました。学校耐震化はいずれ必ずやらなければならない事業であり、いつ地震が起きるかわからないことを考えれば、やるのは早ければ早いほど良い、ということで、可能な限り前倒しで進めることが国・自治体のコンセンサスとなっていました。

しかし、民主党政権となって、子ども手当や高校無償化など、マニフェストで書いた予算をひねり出すために、他の既存事業を削らなければならなくなりました。その結果、あろうことか2800棟もの耐震補強工事が見送りとなってしまったのです。民主党自身が「首都圏大地震は近い将来やってくる」と煽っているにもかかわらず、です。

この事実を知って施政方針演説を聞くと、あまりの頓珍漢さに耳を疑います。

どこが「命を守る予算」なのか。

たとえわが子に子ども手当を毎月1万3千円もらっても、震災でその子が潰れた校舎の下敷きになり亡くなってしまったとしたら。ましてやその校舎が、子ども手当を配るための予算カットで耐震化が見送られた校舎だったとしたら。遺された親御さんは、受け取った1万3千円を片手に、なにを思えばいいのでしょうか。

鳩山総理は、こうした予算の実態を知りながらあのような演説をしたのか?そうならば天性の嘘つきと言わなければなりますまい。それとも知らなかったのか?そうならば一国の総理として管理能力ゼロと言わざるを得ないでしょう。いずれにしろ大いに鼻白む話です。

|

2010年1月14日 (木)

機能不全の日米同盟、機能不全の総理大臣

鳩山総理大臣が自衛隊幹部を前に「日米同盟というものが存在することも、ある意味で理解すべき」と発言しました。直後に「いやむしろ理解というより感謝すべき」といいなおしていましたが、総理の職にある人間が何を寝ぼけたことを言っているのか、唖然としました。おそらくその場にいる人たちの中で、よく理解できていないのは総理本人だけだったのではないかと思いますが、早く日米同盟の存在を理解したうえで、総理自身の存在が日本の安全保障に今いかなる影響を及ぼしているのかに理解を進めていただかないと大変困ります。

おまけに、同盟関係は相手に一方的に感謝するようなものではありません。「感謝」という言葉の語感からは、あたかも米国が持ち出しで日本を守っているかのような認識を感じますが、同盟は相互に利益があるからこそ成り立っているのです。その米国側の利益の根幹をなしているのが「在日米軍基地」です。その認識がないから、普天間基地移設問題で、米国を散々翻弄した挙句、無神経に「感謝すべき」などと言い放てるのではないでしょうか。

こうした総理の無理解・無神経は、確実に日米同盟を蝕んでいます。鳩山政権は、総理や主要閣僚がひらりひらりと前言撤回を繰り返すことで、オバマ政権から完全に信用を失いました。その結果、米国は、もはや外交・安全保障上の重要な課題について、日本政府と真剣に話をすることをやめてしまっています。これは、情報も、それが機微なものであればあるほど、日本の耳に入らなくなったということを意味します。この影響は深刻です。

例えば、日本は米国の「核の傘」によって守られています。この米国の核兵器による「拡大抑止」は、わが国安全保障の根幹中の根幹です。現在、オバマ政権では、この拡大抑止を含む核戦略全般を見直す「核態勢見直し(Nuclear Posture Review)」の作業が進められ、本年2~3月にも最終とりまとめがなされる予定となっています。

本来であれば、同盟国であり、拡大抑止の最大の受益者である日本も、この「核態勢見直し」議論に当事者として参加することが当然です。しかしながら、信用をなくした現政権は、このわが国安全保障の根幹に関わる議論からほぼ完全に除外された状態になってしまっています。言い換えれば、いま、日本政府は、日本国民の生命を守ることができるかどうか、コントロールを失った状態にあるわけです。

鳩山総理は、わが国がこのような状況に陥ってしまっていることをどう考えているのでしょうか?国民が気づかぬうちに、日米同盟が、そして拡大抑止が機能不全に陥り、いざ有事というときに日本国民の生命財産を守ることができなくなってしまったとしたら、一国の最高責任者として、どう責任を取るつもりなのでしょうか?

私は、鳩山総理は、速やかに辞職をすることが相当だと思います。もはや鳩山総理が米国から信頼を取り戻すことはできないでしょう。信頼の回復なくして、有事に機能する同盟関係を維持することはできません。予見しうる将来において、日米同盟なくして日本の安全を守ることはできません。自身の総理大臣というポストへの執着より、国民の生命財産に対する責任のほうが重要と考えるなら、自ら速やかに身を引いて、次の総理大臣にすべてを託す道をとるべきです。

|

ブログ再開

しばらく隠忍自重してブログもお休みしていましたが、いわゆる「ハネムーン期間」も終わり、年も変わったところで、ブログによる情報発信を再開したいと思います。

今後は、あるべき政策論とともに、野党の本来の責任である権力のチェック機能を果たすべく、現政権に対する辛口の批判も積極的に発信して参りますので、どうぞよろしくお願いいたします。

|

« 2009年9月 | トップページ | 2010年2月 »